免疫力を維持するには

新型コロナウイルスの新規感染者数が大分落ち着いてきました。
このまま収束してもらいたいものです。

ワクチンも有効ですが、基本的な免疫力を維持できれば、他の様々な感染症から身を守ることができます。

免疫力として働いてくれる「T細胞」は、胸腺や腸や全身のリンパ節という免疫器官が作っています。
免疫器官ではT細胞が成熟する過程で「こういうものは悪いやつ。自分じゃないから反応(攻撃)しなさいね」という教育と
「これは自分の体の一部だから、反応(攻撃)してはダメですよ」という自己認識させる教育を行います。
その後、教育を受けたT細胞は全身に出て行って「悪いやつはおらんか」と新たな敵についてチェックします。

特に腸は栄養素や食品成分の吸収を行っており、常に異物が入ってくる可能性が高いことから、腸には全身の免疫細胞の半分以上が集まっています。
T細胞を作る胸腺という免疫器官は20歳くらいから小さくなり、60、70歳になる頃にはほとんどないといっていいくらい小さくなってしまいます。
胸腺が小さくなることで免疫力は下がりますので、栄養不足やストレスは免疫力を下げると言っていいでしょう。

ですので、加齢と共に腸がより重要な免疫器官になってきます。
腸には食事でとった大量の栄養や細菌が次々とやってきます。
そのため、小腸には腸の中を通る物質から免疫細胞が情報を得る器官が存在します。
そこに全身から免疫細胞が集まって「こんなものが入ってきたよ」「これは要注意。次に来たら排除しよう」といった情報を得た後、再び全身へ散っていきます。
いわば「免疫細胞の学校」です。
免疫細胞が教育を受ける場所はリンパ節などにもありますが、食事で入ってくる情報量は圧倒的に多いので、免疫細胞も多く集まってくるというわけです。

腸にいいと言えばヨーグルトやそれに含まれる乳酸菌ですね。
外から入ってくる乳酸菌は基本的に免疫にとっては異物なので、「異物が入ってきたぞー」と免疫の働きを活性化するものが多いと思われます。
乳酸菌を使った食品の中には腸の調子を良くするだけでなく、アレルギー症状を軽減するものや内臓脂肪を減らすのに役立つもの、睡眠の質を改善するという機能を掲げた乳酸菌も出てきました。
おそらく各メーカーがストックしているたくさんの乳酸菌の中から、特定の目的に対して有用なものを選び抜いているのだと思います。

一般に年齢が上がるほど免疫機能が低下するため、若い頃よりも風邪を引きやすくなってきます。
それをカバーするには、月並みですが、発酵食品を多く含んだ「バランスのとれた食事」と、ストレスを溜めない「適度な運動」「十分な睡眠」が重要です。

ストレスが溜まり、心が疲れが身体に現われた時はリラックス。
身体をほぐして心の疲れも解消しましょう。