オートファジー
オートファジーって聞いた事がありますか。2016年のノーベル生理学・医学賞に東京工業大学の大隅良典栄誉教授が受賞されました。受賞理由は「オートファジーの仕組みの解明」。
オートファジーとは身体を構成するタンパク質をリサイクルする仕組みです。私たちの身体は、水を除くと約7割はタンパク質で構成されています。また、生きていく上で、欠かすことができない働きをしているのもタンパク質です。例えば、酸素を運ぶ「ヘモグロビン」、食物を分解する「消化酵素」、免疫をつかさどる「抗体」等々…その他、筋肉を動かす働きやDNAを合成する働きなど、生きていくのに必要なほぼすべての場面にタンパク質が関与していると言っても過言ではありません。
そして、このタンパク質にも当然のことながら寿命があります。タンパク質の種類によって寿命は異なりますが、早いと数分、遅くても数カ月です。しかし、この不要になったタンパク質、不要になったからといって無駄に捨てられているのではありません。
私たちの身体を維持していくには、理論上毎日約300gのタンパク質が必要とされていますが、実際に食事で摂取しているタンパク質はおおよそ80gに過ぎません。
ではどのようにして不足している220gものタンパク質を補っているのかというと、オートファジーによってリサイクルされたタンパク質を利用しているのです。オートファジーで細胞内のタンパク質を食べてアミノ酸に分解し、アミノ酸から必要なタンパク質を作り出しています。不足するタンパク質は、細胞内でリサイクルして補われているという巧妙な仕組みが明らかになったのです。
さらに、不要なタンパク質には、出来損ないのものも存在し、細胞内にゴミとして蓄積されますが、このゴミを定期的に掃除をしてくれるという機能も備わっているのです。
もし、このオートファジーの機能が弱まったらどうなるか…それが細胞の老化であり、成人病や神経症などの病気となって現れて来ます。でも逆に活発化すれば、いつまでも若々しく元気に過ごす事が出来ます!
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