肩こり

コロナ禍で会社から自宅勤務を命じられ、毎日、自宅のデスクに座りっぱなしの生活になっている方も多いと思います。
トイレや食事のとき以外、立ち上がることもあまり無かったり…

そんな中、肩こりが酷くなってお悩みではないでしょうか。
肩こりの原因は、筋力不足、血行不良、ストレス、と大きく3つに分けられます。

筋力不足でなぜ肩こりが起きるのかというと、人間は、1本で約2~3㎏ある腕や、約5~6kgある頭を、首から肩を覆う僧帽筋をはじめとする、さまざまな筋肉で支えています。
ある筋肉の力が衰えると、その分、ほかの筋肉に負担がかかるようになります。
すると、負担が余計にかかっている筋肉が疲れやすくなり、それがコリにつながるのです。
また、筋肉は使わないと力が弱くなっていきます。
例えば、「バッグが重いのは嫌だ」と、荷物を軽くすれば、それに伴って、バッグを持つための筋力はどんどん低下していきます。
筋力不足で肩こりが起きている人が、なるべく重い荷物を持たないようにすると、筋力不足が解消されることもなく、肩こりはひどくなる一方なのです。

血行不良によっても肩こりは起きます。肩の関節の周辺にある筋肉を動かさないことで血行不良が起き、それにより老廃物などが排出されにくくなり、痛みやコリが生じるのです。
肩の関節は、人間の関節のなかでも、最も多くの方向に動くといわれています。
可動域がそれぞれ非常に広いのも特徴です。
この関節は、上腕骨、肩甲骨、鎖骨の3つの骨によってできていて、非常に不安定な構造をしているので、多くの筋肉や腱などによって支えられています。
さまざまな方向に広く動くということは、動作をコントロールするためにも多くの筋肉が必要だということです。
つまり、肩の関節を十分に動かさないでいると、動かない筋肉が増えるため、血行不良が起きやすくなってしまうのです。
今日1日の行動を振り返ってみてください。肩の関節をどれぐらい動かしたでしょうか。
「そういえば、今日は一度も腕を高く上げていない」と気づいた人も、少なくないでしょう。
ラジオ体操のように、腕を大きく上に挙げたり、グルッと回す動きは、日常生活ではあまりしないものです。
人間は、できるだけ体が疲れないような生活様式が身に付いています。
例えば、キッチンやダイニングでは、よく使う食器類を取り出しやすい高さの棚にしまい、リビングでは、テレビなどのリモコンを、少し手を伸ばせば取れる位置に置いておくのが普通です。
すると、日常的な動作では肩の関節を大きく動かすことが少なくなり、血行不良になりがちになるのです。
血行不良を防ぐためには、腕を大きくグルグル回す動的ストレッチが効果的。ぜひ試してみてください。

さて、筋力不足、血行不良が原因で肩こりが起こることはわかりましたが、それでは定期的に体を動かし、筋力不足とも血行不良とも無縁であれば肩はこらないかというと、そうではありません。
肩こりは、ストレスが原因でも起きるからです。
実は、オリンピックに出場するようなトップクラスのアスリートでも、肩がこります。
彼ら彼女らは、筋力も十分ありますし、練習中に腕をたくさん動かしているので、血行不良でもありません。
それでも、大きな大会の前になると、ストレスから肩こりが起きるのです。
ストレスが高まると、脳の血流量が減り、前脳にある「側坐核」という部位の働きが低下することで、体に痛みを感じやすくなることが分かっています。
そのため、ストレスがあると、肩こりがさらにひどくなってしまうのです。
ストレス解消のためにはリラックスが必要です…好きな映画を観たり、ゆっくり入浴したり、散歩に出かけたり…

それでもツライ時は、ぜひ当店にもお越しください♪
頭から足裏まで、全身揉みほぐしをすることで血行が良くなるだけでなく、心身ともにリラックスすることで、ストレスが和らぐ効果が期待できます。

現代社会に生きる我々は、スマホやPC、あるいはテレビの画面から、膨大な情報を受け取っています。
施術を受けている1~2時間は、そうした情報をシャットダウンすることで、内省できる貴重な時間として使えるはずです。
施術の間、自分を見つめ直し、自分の体と真摯に向き合ってほしいのです。
そうすれば、今よりずっと、上手に肩こりと付き合っていくことができるのではないでしょうか。