水分補給の話し

水分は、血液とともに体全体を循環していますが、血液の中に含まれる水分が減少するのは体にとってよくない現象です。脳がその状態を感知すると、細胞の中に含まれている水分を血液に送るよう指令を出し、それと同時に脳は『喉が渇いた』という信号を人間に送り、補給した水分を各細胞に行きわたらせる仕組みになっています。
人間の体の約60~70%は水分であると言われているが、そのおよそ2%が失われると、喉が渇いたと感じるという。ちなみに5%失われると熱中症や脱水症状になり、10%失われると体内の循環不全が起こり、20%失われると死に至るケースもあるので注意が必要です。特に暑い季節に喉の渇きを覚えるという人は、体内の水分の「滞り」が原因となっている可能性も否定できません。
例えば、冷えた水分を一気に摂取すると、胃が急激に冷えてその機能が大きく低下してしまう。胃腸で水分がしっかりと消化・吸収ができないと水分の全身への巡りが悪くなり、水分が特定の部署に偏ってしまった結果、下痢やむくみなどが引き起こされてしまうそう。
このような水分の偏りが生じることで体の隅々まで水分が行きわたらず、結果的に、飲んでも飲んでも喉の渇きを繰り返してしまうという悪循環へとつながるケースも考えられる。水分補給として一度に大量の水を摂取すると、かえって体内の電解質バランスを崩して体調不良を引き起こしてしまう。では、どのように飲むのが効果的なのでしょう。
「飲む量は、かいた汗の量を目安にし、汗で失われる塩分(ナトリウム)もきちんと補給しましょう。冷えたイオン飲料や経口補水液の利用が手軽ですが、1リットルの水、ティースプーン半分の食塩(2g)と、角砂糖を好みに応じて数個溶かして、自分で作ることもできます。長時間運動を続ける場合には、ナトリウム濃度をやや高くすることが必要です。トライアスロンなど長時間の運動では、血液のナトリウム濃度が低下して、熱けいれんが起こることが報告されています。」
糖を含んだ飲料が推奨される理由としては、腸管での水分吸収を促進する点が挙げられている。主要な糖であるブドウ糖は、腸管内でナトリウムが同時にあると速やかに吸収される。そして、それらに引っ張られて水分も吸収されるというのが、そのメカニズムと考えられています。また、エアコンの効いた屋内で長時間過ごす場合は、冷たいものよりも常温や温かい飲みものを取り入れるほうがおすすめ。
「たかが喉の渇き」と侮らずに適切な水分補給を心がけましょう♪