腰痛はとても厄介

中高年になると、色々な体の不調を感じるようになりますが、特に多いのが「腰痛」です。
自覚症状として腰痛を挙げる人は、男性は1位、女性は2位です。
この国民病とも言える腰痛は、明らかな疾患から来るものもありますが、その多くは原因がはっきりとせず、治りにくく、慢性化することが多くなっています。
「整形外科に行っても、『特に異常はないから様子を見ましょう』と言われるだけだ」「年だから腰が痛いのは当たり前」、そう思ってあきらめている方が多いのではないでしょうか。

もちろん、腰痛を治そうとしてあれこれ努力する人もいます。
体が硬いからとか腰周辺の筋肉が足りないから、などの理由で腰痛が生じると考え、ストレッチや筋トレに励んだことのある方もいますよね。

そんな腰痛、、1990年代の研究では「非特異的腰痛(原因不明)が全体の85%を占める」と言われていましたが、今ではこの数字は大きく変わっています。
近年の詳細な調査によると、腰痛の75%以上は診断が可能であり、原因不明の非特異的腰痛は逆に22%に過ぎなかったそうです。

腰痛を防ぐのは筋肉でも柔軟性でもなく、姿勢を整え「仙腸関節」をうまく機能させること…だそうです。
「仙腸関節」とは、背骨の下部(骨盤の中央)にある仙骨と、その左右両側にある腸骨をつなぐ細長い関節のことです。
背骨が体を支える「柱」であるとすると、骨盤はそれを支える「土台」、そして土台と柱の間のクッション機能を担うのが「仙腸関節」です。
仙腸関節は靭帯によって仙骨・腸骨と連結されていて、2~3mmという微妙な範囲で動ける余裕、つまり“遊び”があります。
背骨と骨盤ががっちりつながっていると衝撃で骨を痛めかねませんが、わずかに動く余裕があることで、体を深く折り曲げたときなどに腰に集中する負担が吸収・分散されるのです。
 仙腸関節の機能異常は、前かがみの姿勢から発生します。
現代人はとかく前にかがみがちで、首が前に出た猫背の姿勢が癖になった人が多くいます。
この崩れた姿勢は仙腸関節に悪影響を及ぼし、腰痛につながっていきます。
前にかがむと、体が前に倒れないように抵抗するため、脊柱起立筋が収縮して後ろに引っ張ろうとするので背筋が疲弊し、炎症を起こす状態を筋・筋膜性腰痛といいます。
軽度の腰痛は、これを取っかかりにして始まります。

 次の段階で起こるのが、仙腸関節の機能異常です。
前かがみの姿勢は、骨盤全体を後ろに傾け、仙腸関節をガチガチに硬くし、ロックされたように動かなくしてしまいます。
そうやって仙腸関節のクッション機能が損なわれると、体にかかる衝撃が腰にダイレクトに響いて腰痛を生じる大きな要因になるのです。
これがさらに進むと、腰椎の前方に負担がかって起こる腰椎椎間板ヘルニアや、腰椎の後部までガタつくと腰椎分離症・すべり症、腰部脊柱管狭窄症なども引き起こしてしまいます。

腰痛を招く原因が2カ月、3カ月と蓄積するうちに、ある一定のラインを超えると痛みが表れます。
それを1日、2日で一括返済するのは困難で、治るにもそれなりの時間が必要となります。
腰痛借金が雪だるま式に増えて腰痛をこじらせる前に対策・改善をしましょうね。