その巻き肩にご用心
最近の施術で気になるのが、巻き肩になっているお客様の多さです。
お話を伺うと、「長時間のデスクワーク」や「スマホの使いすぎ」というキーワードがよく出てきます。特にパンデミック以降、在宅勤務が増えたことで、その傾向がさらに顕著になっているようです。
でも、この巻き肩、放っておくと意外に怖いんです。
実は自律神経の乱れにまでつながる可能性があると言われています。
「えっ、本当に?」と思うかもしれませんね。そこで、今回はそのメカニズムについて少し掘り下げてみましょう。
【巻き肩が自律神経に与える影響】
1. 呼吸の浅さ
◦ 胸郭の圧迫:巻き肩になると肩が前に入り、胸郭が圧迫されやすくなると言われています。
◦ 肺の容量低下:これにより、横隔膜の動きが制限され、深い呼吸がしづらくなることがあるようです。
◦ 交感神経優位:浅く速い呼吸が続くと、交感神経が過度に活性化されやすくなり、自律神経のバランスが崩れる可能性があります。
2. 頚椎への負担
◦ 神経の圧迫:巻き肩は頭が前に出やすい姿勢を引き起こし、これが頚椎に負担をかけることがあるそうです。
◦ 自律神経の通り道:頚椎には重要な自律神経が通る神経節があり、ここが圧迫されると自律神経の働きに悪影響を与える可能性があると言われています。
3. 血流とリンパの停滞
◦ 筋緊張の増加:巻き肩になると肩周りや首、胸の筋肉が緊張しやすくなり、血流やリンパの流れが滞りがちになることがあるようです。
◦ 自律神経の乱れ:この状態が長期にわたると、ホルモンバランスや自律神経の働きにまで影響が出ることがあると考えられています。
4. 精神的ストレス
◦ 姿勢と感情の関係:猫背や巻き肩の姿勢は、心理的にも閉塞感やストレスを感じやすいと言われています。
◦ 交感神経の刺激:これが交感神経を刺激し、リラックスしにくい状態を作り出す可能性があるそうです。
【交感神経と副交感神経】
ここで「交感神経」という言葉が登場しましたが、簡単にその役割をおさらいしておきましょう。
• 交感神経:活動時や緊張時、ストレス時に優位になる神経
• 副交感神経:休息時やリラックス時、疲労回復時に優位になる神経
つまり、巻き肩が続くと交感神経が絶えず優位になり、筋肉が緊張しやすく、呼吸も浅く速くなりがちです。これは、体が常に戦闘態勢にあるような状態とも言えるかもしれません。
【巻き肩対策】
では、どうやってこのバランスを整えればいいのでしょうか?
• デスクワークやスマホ操作時に姿勢を意識する
• 適度なストレッチや深呼吸を取り入れる
• 時にはリラクゼーションを利用して、体にリラックスのプレゼントを
「わかっちゃいるけど、なかなかできない」ものですよね。
でも、今度こそ、明日から少しずつ取り入れてみませんか?
【最後に】
現代人は交感神経が活性化されやすい環境で生活しています。仕事のペース、スマホの存在、常に情報に囲まれた日常… だからこそ、週に一度はその世界から切り離され、ゆっくり深呼吸をする時間を大切にしたいものです。
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