やせたい方に今注目の、、

最近「ロカボ」という言葉・文字をよく目にします。

ロカボとは炭水化物を意味する「カーボハイドレート(carbohydrate)」に、低い=「low」を組み合わせて作られた言葉です。

新型コロナ感染症の重症化リスクが高い基礎疾患として話題に上り、近年では、がんや認知症とも関わりが深いことが明らかになっている「糖尿病」。

日本人の成人の半数以上が糖尿病予備軍である「食後高血糖」の状態になっているいわれ、糖質摂取の多い人は、食後血糖が異常な数値にまで跳ね上がり、その後に下がる、というふうに乱高下します。

この乱高下が血管を傷め、動脈硬化を促進していくのです。

この恐ろしい病気を防ぐには、毎日の食生活が重要になります。

ロカボでは、食事ごとの糖質量を抑えて、この食後高血糖が起こらない状態を作っていきます。

一般的な日本人の食生活では1日あたり300gの糖質をとっていますが、ロカボ基準ではその半分以下の70~130gが1日の適正糖質量としています。

糖質を一切抜くような極端な糖質制限とは異なり、1食あたりの糖質量を20~40g(間食では10g)とするのです。

でも、気を付けるのは糖質だけで、おかずなどはおなかいっぱい食べていいため「我慢の食事」にならず続けやすいのです。

メタボリックシンドロームと診断されると「手のこんだ食事をとらなきゃ」とか「運動しなきゃ」と考えますが、実際、タクシーの運転手さんやコンビニの店員さんなど、シフト勤務で規則的な食生活そのものが難しく、短時間にパパッと食事をとるしかなく、運動習慣を作ることも難しいのが現状です。

実は働き盛りの人はほとんどがこのような状況ではないでしょうか。

そこで、北里大学北里研究所病院副院長・糖尿病センター長の山田悟先生は以下のような、生活環境を変えられなくてもコンビニで買える簡単な食事で被験者にロカボを「3か月」実践していただき、その結果を見ることにしました。

対象となったのは、メタボリックシンドロームまたは肥満のタクシー会社の運転手とコンビニエンスストア従業員101人です。

被験者は「ロカボ」に関するセミナーを受け、その後3カ月間、毎日食事記録をつけ、週1回の体重測定を行い、週1回の食事改善アドバイスを受けました。

そして、介入前後の血液を評価したところ、以下のような結果が得られました(異常値を示していた参加者を対象解析をした結果)。

・平均体重が有意に減少 85.0 → 83.0kg

・肥満指数のBMIが有意に低下 28.0 → 27.2

・HbA1cが有意に減少 6.7 → 5.8%(6.0以上だった人の平均値)

・LDLコレステロールが有意に低下 133 → 120mg/dL

また、被験者のタクシー運転手さんにアンケートをとったところ、ロカボの食生活に変えることによって運転中の眠気が減った人が3分の2を占めました。

昼寝が必要なくなったことで、ハンドルを握っている時間が伸び、売り上げが上がった、と大変喜んでいたそうです。

今まで食事制限といえば「カロリーを制限する」あるいは「おなかいっぱいに食べてはいけない、腹八分目にとどめなければいけない」と考えました。

しかし、我慢を強いる食事制限はストレスになり、必ず心が折れる瞬間が訪れます。

そしてリバウンドし、前よりも体重は増え、血液の数値も悪化してしまうのです。

しかしロカボでは、気を付けるのは糖質だけです。

血糖値を上げる食品や飲み物に注意すれば「おかずは好きなだけ食べてよい。おなかいっぱい満足するまで食べてよい。お酒も飲んでいい」食事法です。

そのため「我慢の食事」にならず、継続しやすいのです。

ロカボチャレンジで指導された食事ルールは、以下のようなもの。

これならおいしさを楽しみながら継続できそうです。

●1食あたりの糖質の目安量=20~40gを守る

ごはんなら軽く半膳、食パンは8枚切り1枚。うどんはゆで麺半玉を目安にする。

主食の量をこのくらいにすれば、調味料や野菜に含まれる糖質を足しても40g以内に収まる。

●おかずはしっかり食べる。主食は最後に食べる「カーボラスト」で

おかずに含まれるたんぱく質と脂質、食物繊維は、血糖値上昇にブレーキをかけ、満腹感を長続きさせるので、おなかいっぱい、しっかり食べてよい。

これらのおかずを食べた最後に主食(糖質)をとる「カーボラスト」にすると、控えめの量でも満足できる。

毎食満足することが、ストレスをためない秘訣。

●スイーツもお酒も糖質量がオーバーしなければOK!

大福などの和菓子は内側も外側も糖質でできているので小サイズのものを。

洋菓子は生クリームやバター、クリームチーズなどの脂質によって血糖値上昇が抑えられる。

市販の低糖質おやつも利用しよう。

お酒は、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ジンなどの蒸留酒なら糖質ゼロ。

ワインも糖質量は少なめで、白・赤いずれかを3杯飲んでも糖質は約5g未満。

さあ、貴方も今日からロカボチャレンジで、血管の健康を維持しましょう!